第5 会員の職業倫理を高めるための体制の整備について
当協会の証券アナリスト職業行為基準は、何よりも会員が自律的に遵守することが求められものである。しかし、当協会としても会員の職業倫理高揚のため必要な施策を進めていくとともに、不幸にして職業行為基準に違反するような事例が発生した場合には、定款および規律委員会規則にのっとり、厳正に対応していくことが必要である。また、そのための体制をこれまで以上に整備していくことも必要である。このような見地から当協会としては、新たに次のような措置を講ずることとした。
- 当協会の事業、証券アナリストの業務に関する外部からの意見・提言の受付体制の整備
証券アナリストに関する外部からの問い合わせに対しては、現在も対応はしているところである。今後は証券アナリストの業務に関する意見のほか、 当協会の事業に関しても、当協会のホームページを活用して、広く会員、投資家および発行会社等から意見を収集し、当協会の事業や会員の職業倫理に関する施策の企画・立案の参考とするほか、職業行為基準の遵守状況を把握するための参考にすることとする。 - 規律委員会の審査体制の合理化と職業倫理上問題のあった事例につき注意を行う制度の導入
職業行為基準違反の疑いのある事例が発生した場合、規律委員会の対応を迅速かつ効率的に行うため、正式の審査に先立ち事前審査の制度を設ける。また、協会の定款に定める懲戒事由には該当しないが職業倫理に照らし問題があると思われるような事例については、規律委員会の議決に基づき、規律委員会委員長名で口頭または文書で会員に注意を行うことができる制度を導入する。 - 証券アナリストジャーナル誌における職業倫理に関する常設コーナーの新設
証券アナリストジャーナル誌に「証券アナリストの職業倫理を考える」(仮称)コーナーを設け、会員、学者、マスメデイア、発行企業のIR 担当者などから職業倫理に関する論説の寄稿をお願いするとともに、内外の職業倫理に関する動向を紹介、解説する。 - 「証券アナリスト職業行為基準実務ハンドブック」に最近内外で問題となったような事例を含め、ケース・スタディの事例を充実する。