2021年7月号(第59巻第7号)
特集 : 人生100年時代の個人金融資産
個人金融資産の課題を、様々な観点から切り取る
「人生100年時代」を迎えようとする変化の中ですべての世代が影響を受け始めている。この変化に呼応した働き方改革、年金改革や官民のサービスの拡大で、既に個人の行動は変わりつつあり、家計の健全性や社会全体のサステナビリティを高める方向の変化も起こっている。一方で、「人生100年時代」に関係する未解決の様々な問題も残り、新しく見えてきた難しい問題も多い。本特集では、マクロモデルによる評価、フィンテックの応用、内外年金制度の比較・検討、退職後の資産管理技術の精緻化、行動神経経済学の応用といった、重要で新しい切り口での4つの研究成果をまとめた。今後もこの分野の研究と応用が発展していくことが望まれる。
大庭 昭彦 氏(野村證券金融工学研究センター エグゼクティブディレクター)
解題(307KB)
大庭 昭彦・・・2
論文
- 高齢化社会と家計の金融経済行動
―公的年金改革の影響とフィンテックがもたらすインパクト―(195KB)
祝迫 得夫・・・6 - 海外との比較でみる日本の年金制度の課題と展望
(184KB)
野村 亜紀子・・・16 - 資産取り崩し期における夫婦二人世帯の適正支出
(175KB)
高岡 和佳子・・・25 - 加齢が意思決定に与える影響
―神経経済学と金融ジェロントロジーの視点から―(182KB)
駒村 康平・・・35
展望
COVID-19が金融の安定に与えた新たな課題(142KB)
小立 敬・・・45
経済・産業・実務シリーズ
TOPIX(東証株価指数)等の見直しの概要(142KB)
能木 絵美・・・50
視点
新型コロナ感染症と資産バブル(199KB)
山口 廣秀・・・61
証券アナリスト読書室
日本証券経済研究所編
花枝英樹/芹田敏夫/胥鵬/佐々木隆文/鈴木健嗣/佐々木寿記著
「日本のコーポレートファイナンス─サーベイデータによる分析─」
光定 洋介・・・66
藤田勉/幸田博人著
「金融が解る 世界の歴史」
内田 稔・・・68
西野智彦著
「ドキュメント 日銀漂流─試練と苦悩の四半世紀─」
沼波 正・・・70