2024年4月号(第62巻第4号)
特集 : グローバル金融緩和の終焉と日銀
日銀の舵取り、その先に
月刊誌にタイムリーという言葉は馴染まないのだが、本特集は例外である。日銀は2024年3月にマイナス金利を解除し、金融正常化へ向けて一歩を踏み出した。執筆者含む本誌関係者は対応に追われたものの、本特集は政策変更を取り込んだ形でまとめることができた。
22年の後半から欧米の中央銀行は利上げを加速させた。日銀もマイナス金利を解除したから、グローバル金融緩和の時代は終わったように思えるが、そんな単純な話にはならない。日本では今後も緩和環境は継続するし、日本政府の膨大な債務、日銀の肥大化したバランスシート、金融正常化の過程で日銀財務に発生する損失など、課題は多い。本特集が日本の今後を考える上で参考になれば幸いである。
原田喜美枝氏 (中央大学 商学部 教授)
解題(290KB)
原田 喜美枝・・・2
論文
- 物価高と異次元緩和―日銀は「出口」を出られるか―(149KB)
中里 透・・・6 - 大規模緩和の修正に関する論点整理(162KB)
左三川 郁子・・・18 - 緩和修正と金融機関への影響(156KB)
加藤 出・・・28 - 日銀は米欧の教訓を生かせるか(187KB)
河野 龍太郎・・・43
展望
現預金保有と企業価値評価再考(160KB)
鈴木 一功・・・54
経済・産業・実務シリーズ
監査の信頼性と公認会計士・監査審査会の役割
(167KB)
松井 隆幸・・・60
視点
「顧客本位の業務運営」をめぐって(133KB)
遠藤 俊英・・・72
査読付き論文
東証市場再編における利益マネジメントと事後パフォーマンス(153KB)
岡田 立子・・・76
特別掲載
ESG経営を目指すBコープの社会的意義と動向(再論)(188KB)
鈴木 勘一郎・・・86
証券アナリスト読書室
佐藤克宏著
『戦略としての企業価値』
糸川 友信・・・99
中島真澄/片山智裕編著
『フォレンジック会計―会計と企業法務との連携―』
太田 康広・・・101
趙瑋琳著
『2030年中国ビジネスの未来地図―9億人新市場が誕生する日―』
佐藤 光・・・103