2023年8月号(第61巻第8号)
特集 : 「再考・安全資産としての日本国債」
今改めて問われる、安全資産としてのステイタス
近年、ゼロ金利制約に直面した中央銀行による金融政策手段として、国債買入れは一般化した。しかし、日銀による国債買入れは、その規模、政策の継続期間などにおいて、世界的にみても異質だ。いわゆる異次元緩和の開始から11年目を迎えた日銀は、今年4月に新たな総裁を迎え、これからの政策の見直しが広く予見されている。今や国債の最大保有者となった日銀が、その買入れ額を減らすとき、果たして安全資産の位置づけにある日本の国債市場にはどのような影響が及ぶのか。8月号では、「再考・安全資産としての国債」を特集に掲げ、クレジット、英国債急落事例、国債の保有者構造、金融政策といった視点より、その論点に迫る。
内田 稔 氏(高千穂大学 商学部 准教授/FDAlco為替アナリスト)が語る
解題(288KB)
内田 稔 ・・・2
論文
- クレジットの視点からみた日本国債の留意点
(413KB)
中空 麻奈・・・6 - 英国の国債市場と政策対応 ―2022年秋の混乱からの教訓―
(416KB)
石川 純子・・・16 - 異次元緩和がもたらした国債需給構造の変化
(370KB)
森田 長太郎・・・26 - 「異次元緩和」と国債大量購入 ―真の問題は何か―
(437KB)
田中 隆之・・・38
展望
会計学とファイナンスのはざまで ―事業資産PBRの考察―(302KB)
中野 誠・・・50
金融データサイエンス入門シリーズ[第2回]
取引データを用いた実証分析の展開―実例と展望―(445KB)
宮川 大介・・・57
視点
危機を振り返る―りそな公的資金注入から20年に思う―(263KB)
東 和浩・・・67
査読付き研究ノート
インデックス運用の興隆とベンチマーク指数の今後(447KB)
栗田 昌孝/入江 圭太郎・・・72
証券アナリスト読書室
フィリップ・アギヨン/セリーヌ・アントニン/サイモン・ブネル著 村井章子訳
「創造的破壊の力―資本主義を改革する22世紀の国富論―」
光定 洋介・・・85
ハンス・ロスリング/オーラ・ロスリング/アンナ・ロスリング・ロンランド著 上杉周作/関美和訳
「FACTFULNESS(ファクトフルネス)
―10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣―」
大庭 昭彦・・・87
西野智彦著
「ドキュメント通貨失政―戦後最悪のインフレはなぜ起きたか―」
沼波 正・・・89