2022年8月号(第60巻第8号)
特集 : 実験行動ファイナンス
Super Forecasterは存在するのか? 予測精度と個人の資質・知識・経験との関係に迫る!
いつの時代も未来は混沌としている。「未来を見通せる水晶玉があれば・・・」と誰もが一度は考えたことがあるだろう。とりわけマーケットの未来がわかるのであれば、直接的な富に結びつくためその動機づけは強い。古くは古代バビロニア時代から穀物マーケットの予測を試みていた証拠が残っている。ランダムウォークに近いマーケットを予測しようなんて愚かな試みだろうか?CIAの下部組織である米国高等情報研究局(IARPA)が実施した大規模実験から、どうやら未来予測精度の高い一群の人間がいることがわかってきたらしい。今回の特集では、マーケットの予測精度を上げるために必要な資質について、世界的にもユニークな経済実験や、アンケート調査と取引履歴を紐付けた日本では希少な研究を紹介しながら、予測精度を高めるには何が必要かを考える。
岡田 克彦 氏(関西学院大学大学院 経営戦略研究科 教授)
解題(307KB)
岡田 克彦・・・2
座談会
- マーケットの予測精度を上げる―専門知識と認知能力、性格的特性の役割―
(401KB)
岩谷 渉平/大庭 昭彦/花木 伸行/岡田 克彦・・・6
論文
- 実験ファイナンス研究の最前線
(360KB)
花木 伸行・・・23 - FX投資家の個人特性と投資パフォーマンス
―アンケート調査と取引データによる分析―(389KB)
岩壷 健太郎・・・34
展望
歴史的な円安相場の展望 ―相場の反転に必要な条件―(320KB)
内田 稔・・・46
会計研究の新展開シリーズ[第2回]
財務報告研究におけるテキスト分析(439KB)
矢澤 憲一/金 鉉玉/伊藤 健顕・・・52
視点
バイサイドの品格・セルサイドの矜持(234KB)
田中 洋樹・・・62
論文
東京株式市場におけるカーボンプレミアム(399KB)
五島 圭一/八木 厚樹・・・67
証券アナリスト読書室
鈴木一功/田中亘編著
「バリュエーションの理論と実務」
新井 富雄・・・81
翁邦雄著
「人の心に働きかける経済政策」
沼波 正・・・83
廣瀬和貞著
「アートとしての信用格付け─その技法と現実─」
徳島 勝幸・・・85