2021年10月号(第59巻第10号)
特集 : 再考・私的年金税制
超高齢化時代、諸外国と比較した日本の私的年金と税制優遇の現状は
年金資産が今後どの程度大きくなり得るかは、資本市場や資産運用業界の将来展望において欠かせない論点であろう。現状、日本の私的年金資産の規模(対GDP比)は諸外国に比べて大きいとは言えず、拡大の余地がある。私的年金の特徴は何と言っても税制措置を得ていることだ。本特集では、日本の私的年金税制は国際的に見てどう評価すべきなのか、という問題意識の下、日本の論点整理を皮切りに、米国、英国、カナダの3カ国の特徴について、専門家による解説と考察を得た。私的年金を大きくするには、税制措置の拡充が出発点となる。税制の論議に日頃馴染みのない読者も含めて、関心を持って頂ければ幸いである。
野村 亜紀子 氏(野村資本市場研究所 研究部長)
解題(290KB)
野村 亜紀子・・・2
論文
- 私的年金税制をめぐる論点
(438KB)
谷内 陽一・・・6 - 米国の私的年金税制
(393KB)
岡田 功太/中村 美江奈・・・17 - 英国の私的年金制度と税制
(364KB)
佐野 邦明・・・26 - カナダの私的年金と公平性のあり方
(391KB)
藤澤 陽介・・・39
展望
「バリュー投資再考」の再考(280KB)
田村 浩道・・・49
再考、ESG投資―統治要素以外の社会・環境の要素から―[第3回]
カーボンプライシングを取り巻く議論とCAPMの考え方(484KB)
吉野 直行/湯山 智教・・・56
特別掲載
新たな会計基準や監査制度の適用による影響および今後の改正動向
―収益認識に関する会計基準や監査上の主要な検討事項(KAM)を中心に―(443KB)
大瀧 晃栄・・・66
コロナ禍におけるシンガポールの中小企業向け経済的施策とわが国への示唆(479KB)
池田 雅史/福光 典子・・・76
視点
「ニューノーマル」に異議あり!?(260KB)
渥美 恭弘・・・85
研究ノート
モメンタム効果の考察と投資実務への示唆(270KB)
岩永 安浩・・・90
証券アナリスト読書室
高田創著
「地銀 構造不況からの脱出─「脱銀行」への道筋─」
沼波 正・・・100
東京海上アセットマネジメント監修/平山賢一編著
「オルタナティブ投資の実践─「資産」選択と「データ」活用の新潮流─」
大庭 昭彦・・・102
岩崎淳著
「グローバル化が変える国際基準─検証・G20とバーゼルⅢ─」
小立 敬・・・104