国際公認投資アナリスト(CIIA)

A2. 世界各国の証券アナリスト協会が持つ教育・試験プログラムは、評価・分析手法の基本的枠組みを共有しつつも、それぞれの資本市場の歴史と特徴、経済構造さらには市場をめぐる規制の体系など、固有の条件を反映した多様なものとなっています。この多様性には、各々の市場に即した証券アナリストの活動を保障し、市場を効率的に機能させるという意味があります。他方、市場と経済のグローバル化・資本移動のボーダーレス化の進展により、証券アナリストの知識・能力の標準化の必要性が高まり続けています。

CIIA(国際公認投資アナリスト)試験制度は、このような多様性と標準化をともに実現することを目的として生まれました。各国の証券アナリスト協会の自主的な活動を尊重しつつ、同時に、国際的に共通した証券アナリストに期待される知識・技能・能力を育成・テストする教育・試験制度が構想されたのです。この目的を実現するため、機構としては多数の国のアナリスト協会とその連合会とが非営利の法人を創設し、教育・試験制度の内容面では、関係する多数の証券アナリスト協会からできるだけ多くのインプットを集め、それを整理・集約することを通じて共通部分を構築するという方法が選択されました。

このプロセスにおいては、欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS)と、日本証券アナリスト協会を含むアジア証券・投資アナリスト連合会(ASIF)が構想実現への推進母体となりました。約3年間の準備期間を経た後、2001年3月に第1回試験を実施した本制度は、CIIA試験の合格者に、国際資格にふさわしい独自の称号CIIA(Certified International Investment Analyst、和文称号は国際公認投資アナリスト)を与えるものです。

なお、国際的な標準を策定するという本制度の目的との関連で、コミュニケーションの手段としての言語についても、標準言語を指定すべきかどうかを準備段階で決める必要がありました。この点については、慎重な議論の結果、最終的には、専門的能力の判定と言語能力の判定とを切り離して、様々な言語が通用する多数の国の受験者に参加の道を開く観点から、試験に使用する言語の多様性を認める方式が選択されました。

A3. 当協会をはじめ関係各国協会は、米国協会(CFA Institute)にもその参加を強く働きかけてきましたが、CFA InstituteではそのCFAプログラムを世界的に広めることが先決との基本スタンスであり、参加していません。

A4. CIIA試験の出題範囲を指定するSyllabus(シラバス)は、当協会の証券アナリスト通信教育講座の内容と大部分が重複しています。これまでの実際の試験問題を見ても、証券アナリスト第2次試験の範囲がマスターできていれば十分に対応可能である、といえます。ただし、証券アナリスト第2次試験に合格した人でも、次のような点に注意が必要です。

第1に、毎回の試験問題は、複数の国々から寄せられた候補問題の中から選定されます。したがって、証券アナリスト試験では見られないような場面設定に基づく出題や、異なった観点からの出題が当然に含まれることになります。その意味で、証券アナリスト第2次試験の受験経験のみでは十分ではない試験になっているといえます。例を挙げると、コーポレートファイナンス全般の出題、経済のIS-LMモデルの開放経済への拡張やAD-ASモデルとの組み合わせ、オプションのブラック=ショールズ・モデル、ヘッジング手法の事例についての出題などがあります。

第2に、CIIAの最終試験は、受験者の記憶や計算力ではなく、理論の柔軟な理解と、実務的な応用能力や判断力、論理展開力を求めるものとなっているため、出題は事例問題となっています。そのため、様々な事例を的確に読み取り、シラバスに盛り込まれている内容に関する知識を用いて、与えられた設問に対応する能力が問われます。

第3に、証券アナリスト第2次試験と比較して問題数が少なくなっている分、各問への配点が大きくなっています。そのため、特定の分野に関する知識の欠如が大きな失点につながる可能性があり、これを他の部分でカバーする戦術がとりにくくなっています。したがって全科目を満遍なく学習する必要があります。

A5. ニューヨーク、ロンドンでは受験できません。その他の海外会場(ACIIA加盟協会が設定する例えば香港、パリ、フランクフルト等)を希望する場合は早目にご相談ください。なお、個別協会の事情等により、受験者が希望されても受験できない場合があります。

A6. CIIAは、各協会の会員であることを前提にして称号が付与されます。このため、協会の会員でなくなると、CIIAの称号は使えなくなります。

A7. 各国協会の会員資格を持っていることがCIIA取得の条件になります。また、日本では証券アナリスト第1次試験、同第2次試験がCIIA試験の基礎試験に代わるものとして位置付けられています。これらの理由により証券アナリスト検定試験を受験せずCIIAを取得することはできません。

A8. 会費等の新たな負担はありません。

A9. 3月試験の結果発表は、5月末頃となります。

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公益社団法人日本証券アナリスト協会は「ASIF(アジア証券・投資アナリスト連合会)」「ACIIA(国際公認投資アナリスト協会)」のメンバーです。
「CMA」「日本証券アナリスト協会認定アナリスト」「Certified Member Analyst of the Securities Analysts Association of Japan」は、公益社団法人日本証券アナリスト協会の登録商標です。

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