図書紹介

医療法人M&Aの実務Q&A

税理士法人 山田&パートナーズ
弁護士法人 Y&P法律事務所  編
(中央経済社)

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 医療法人は地域の安全を支える重要な社会インフラであり、他業種と同様に経営者の高齢化が進んでいる(診療所経営者医師の平均年齢62.0歳、病院経営者医師の平均年齢64.7歳)ため、後継者問題は喫緊の課題となっている。さらに、医療法人の理事長は、原則「医師」でなければならないので、後継者確保は他業種よりもかなり厳しいと言える。

 こうした状況を受けて、編者の税理士法人には、「そもそも医療法人を譲り渡すことができるのか」、「M&Aにはどのようなメリットやデメリットがあるのか」、「従業員や患者・利用者への影響は」といった基本的な質問や、M&Aの実行に際しても「具体的な進め方や譲渡・譲受方法は」、「承継価額はどのように算定すればよいのか」との照会が多数寄せられている。

 医療法人は、一般の企業と異なり行政認可による特殊法人であるため、会計・税務・法務・労務だけでなく、行政手続も含めて譲渡(売手)側と譲受(買手)側の双方に専門的な知識が必要となる。例えば、医療法人を譲渡する場合には、「持分あり医療法人」か「持分なし医療法人」か、譲渡対象が「法人格」か「事業(病院等)」かによって譲渡方法を整理する必要がある。まず、持分ありの場合には、「出資持分譲渡」、「出資持分払戻」、「合併」が、一方、持分なしの場合には、「退社入社」、「合併」が主なスキームとなる。また、法人格譲渡の場合は、経営権も同時に承継するため、「社員・役員の変更」を組み合わせることになる。病院等事業の場合は、持分のありなしにかかわらず「事業譲渡」スキームになる。なお、持分なしの場合に限り、「分割」スキームが可能となるなど複雑である。

 さらにこうしたスキームの違いにより、課税関係の有無や種類が異なるため、慎重な検討が必要となる。本書は、検討フェーズから始まり、実行フェーズ、統合フェーズと段階を追って、行政手続、税務、事業価値評価、買収監査等広範にわたり、多くの疑問に対し簡潔に回答している。


 責任編集者の上田峰久氏は、税理士法人山田&パートナーズ 医療事業部パートナー 税理士。

目次

第1章 医療法人M&Aの概要
第2章 医療法人制度
第3章 医療法人M&Aと行政手続
第4章 医療法人M&Aのスキームと税務
第5章 事業価値評価
第6章 買収監査
第7章 関係者対応
第8章 最終契約

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