合格者の声
矢野 裕斗 さん
地方銀行 市場部門(合格時)
受験の動機
私は2年ほど前から市場部門に配属され、様々な研修を受けながら実務経験を積んでいるところです。CMA資格は2年前に取得しており、更なる知識向上を目指し、良い学習機会やツールがないかを探していました。世の中が変化する中で、知識のアップデートが欠かせないことに加え、優秀な先輩たちや外部の担当者に経験では勝てないからこそ、知識を深めて総合力で追いつき、そして追い越したいと考えていたからです。CMA資格の取得は、マーケットに携わる者として基本的な考えを押さえる上では重要であったものの、自身としては実務に十分に活かしきれていないとも感じていました。そこで、今後の有価証券運用の実務に活かすため、更なる知識を深めることと応用力をつけることを目的に、CIIA資格の取得を目指そうと思いました。
CIIA資格の存在を知ったのは、外部の担当者と名刺交換をした際で、当初は自分には縁がないものと考えていましたが、制度等を調べるうちに「自分もステップアップをしたい、挑戦してみよう」と思えるようになり、CMAはCIIAの基礎試験が免除されることや日本語で受験可能ということも、CIIA受験を決める後押しとなりました。
学習の進め方、受験の準備を通じて感じたこと
①学習の進め方
半年ほど前から学習を始め、トータル学習時間は80時間程度でした。インプットとアウトプットに半々の時間を費やしました。公式集(マイページに掲載)は印刷して、実際に公式がどこに載っているかを確認しながら問題演習に取り組みました。
最初にCMA第2次試験の際に使用した市販のテキストを用いて、簡単な復習を行いました。CIIA試験の公式スタディ・ガイド(協会ウェブサイトで公開)を見たところ、CMA試験の学習範囲の習得で十分に対応可能との記載があったことから、比較的得意分野の財務分析は飛ばし、その他の分野を簡単に振り返りました。
ある程度の基礎知識を思い出したところでCIIA試験の過去問(マイページに掲載)に取り掛かりましたが、最初は合格にほど遠いと感じるくらいまったく解けませんでした。また、一問一問を考えこみ、解くのにとても時間がかかっていました。知らない用語や基礎知識も多く、最初はなかなか学習リズムが掴めませんでしたが、一問ずつ解いてわからないものが出てきたら納得するまで調べるという形で、5年分の過去問をこなしていきました。納得いかないとモヤモヤしてしまうため、このやり方が自分には合っていたと思います。
当初は過去問を2周する予定でしたが、十分な時間を確保することができず、出来の悪かった経済分野と全体の記述問題のみ振り返りを行いました。
②受験を通じて感じたこと
- CIIA資格への挑戦は、基礎的なものから実務への応用まで、自身の実力を高めるための良い機会となりました。
- CIIA試験はCMAの学習範囲の習得で十分に対応可能ですが、高得点を狙いたい方は、より幅広い知識のインプットが必要だと思います。また、総合力が問われていると思うので、極端に苦手な分野を作らないようにすることが重要だと思います。
- 学習範囲自体は広いですが、知らなかったものに出会って知識が増えていくことは、学習モチベーションの高まりにつながりました。また、CIIA試験では事例分析も多く、その問題が解けた時には実務も含めた実力が高まっている感触があり、達成感が得られました。
- ただインプットするのではなく、その本質や考え方を理解することが重要だと思います。CIIA試験に出題される記述問題では、問題の本質がわかっていないと解答できないものが多々あります。普段の学習から、「なぜこの解答になるのか、この理屈となるのか」と自分に落とし込むことが大切だと感じました。それが市場部門の担当者として、基礎的な知識をつける上でも重要なことだと思っています。
- また、公式のCIIA Examination Syllabus(スタディガイド内のリンクより参照)と、CIIA Course Manual(マイページに掲載)を参照することで試験範囲を明確化し、目標や学習計画を立てやすいと実感したことから、可能であればそちらを一読するのも良いかと思います。
今後の抱負など
最終的には、マーケットの変化を捉えながら、柔軟で適切な運用判断ができる人材になりたいです。また、英語力を高め、国外のマーケット等にも対応できる人物になりたいです。市場部門担当者として、経験値を高めながら、自己研鑽を続けていきたいと思います。