合格者の声

築比地 淳一 さん

株式会社みずほ銀行(合格時)

受験の動機

受験の動機は主に3点あります。1点目はCIIA学習プログラムの方向性です。CMAを取得後も継続してファイナンススキルを維持・向上させ、学習したことを現在携わっている投資運用実務へ応用したいと考えていたところ、CIIA試験は実務への応用力を養うことを重視するプログラムであると耳にし、興味を抱きました。2点目は、所属している会社で合格後に補助金を支給してもらえる成長支援制度が整っていた点です。CIIA受験に際して受講登録費用や受験費用等、少なからぬ費用が発生しますが、大部分を負担してもらえるので所属会社には感謝しています。3点目はCIIA単独での年会費が発生しない点です。CMAとしての年会費以外にCIIAとしての追加年会費が発生せず、「国際公認投資アナリスト」という称号の使用が許諾され自分のキャリアにも活かすことができる点は、費用対効果からメリットのある話だと考えました。

受験の準備方法、受験の準備を通じ役立っている点

(a)主に活用した学習教材
・試験日1〜2ヶ月位前を目途に帰社後や週末の空き時間で勉強しました。学習に際しては主に以下の3点を心掛けました。
① 「スタディ・ガイド」等で出題範囲と設問のポイント等の全体感を頭に入れ、「試験問題・解答例」を確認して過去の出題頻度も踏まえ分野毎の勉強時間配分を考える。
② 予定した勉強時間配分を念頭に「試験問題・解答例」を一冊解く。答えが分からなかったらすぐに解答を見て、理解できない箇所をCMA第1次・第2次レベル通信教育講座テキストで確認し、理解するまで過去問を繰り返す。時間に余裕があれば出題頻度の低い分野の勉強に手を回す。
③ 要点をノートにまとめ、都度見直して復習する。併せて「公式集」のどの箇所にどの程度学習した公式が掲載されているのか頭に入れる。

・参考にしたテキストは「試験問題・解答例」と、CMA第1次・第2次レベルの通信教育講座テキスト位で、市販の参考書等はほとんど使いませんでした。特にCMA第2次テキストはCMA第2次試験の時にそこまできちんと読んでいなかったので当時は気づきませんでしたが、改めて読むと内容がかなり実務的でとても参考になりました。

・学習したことはA5サイズの小さなノートに逐次まとめていましたが、この習慣はCMA受験時も行っていました。私は自宅外で勉強することが多いのですが、出題範囲の広いCIIAを勉強しようとすると参考書の携行負担がかなり重くなるため、コンパクトなノートに主要なポイントをまとめ、いつでも振り返ることができるよういつも携行していました。

(b)CIIA試験の特色、難易度等
・CIIA試験は勉強範囲が広範囲な割に実際の出題範囲はCMA試験以上に絞られるように見受けられるので、出題頻度の高い分野を事前に予想して出題頻度の高い分野と低い分野で勉強量を予め傾斜づけすることがより重要だと思いました。

・試験時は公式集が配付されるので全ての公式の丸暗記はしませんでしたが、試験時間が限られる中で試験中の公式集の引用には相応の時間を要するため、ある程度の公式は記憶しました。また、公式集の引用に手間取らないよう、公式集のどこに記載されているかを頭に入れておくことも重要だと感じました。

・CIIA試験は、計算問題を解かせて公式の暗記度を試すというよりは、理論や公式に対する理解度や受験者の思考・解法プロセスを試すような設問が多いことに加えて、近年の時事テーマを設問に絡ませるケースも散見されるので、公式の暗記中心ではなく、理論体系や公式への理解度を深めるような勉強を中心に、最近注目されている金融・経済に関する時事テーマも頭に入れて色々な角度から問われてもある程度解答できるように備えました。

・試験の難易度はCMAよりは若干難化していると感じました。学習範囲は概ね同じですが、全て論述式で、公式や経済理論等の記憶を試すような設問ではなく、公式や経済理論への理解力や応用力を試す設問が多い点が理由として挙げられます。また、CMAと異なり、市販のCIIA試験専用の要点や解法のポイントをまとめた教材がほぼ見当たらない点もCMAより勉強の手間がかかる要因だと考えます。

(c)受験の準備を通じ感じたこと
・CIIA試験は、CMA合格後すぐに受験した方がよいと言われますが私も同意見です。私はCMA受験後CIIA受験まで少し間をあけてしまい、大した期間ではないものの、その期間にCMA受験で学んだかなりの部分がうろ覚えになってしまいました。試験範囲がCMAとほぼ重なるので、記憶のあるうちに即座に受験すれば良かったと後悔しました。特に、一から学び直すモチベーションの維持に苦労しました。私は、会社の目標管理にCIIA合格を組み込んで嫌でもモチベーション維持が強制されるシチュエーションを作り克服しました。

・勉強時に要点をまとめたノートは実務面でも役に立つので今でも日々勤務先に携行して時折参考にしています。現在、私は在籍出向という形でグループ外の会社に業務出向しクレジット投資運用業務に携わっていますが、例えば、情報提供会社が提供する個別企業の理論デフォルト率やデフォルト距離等、クレジットリスク分析時に参考にする信用リスクデータの妥当性を検証する上で、CMA・CIIA試験勉強時に学んだリスク中立確率やマートンモデル等をノートにまとめていたことが役に立ちました。その他にもCIIAの主要な学習箇所は投資運用実務に活かすことが可能な内容が多々あり、受験を通じて勉強したことのかなりの部分を、自作のノートを通じて実務に応用できていると実感しています。

今後の抱負

私は現在クレジット投資担当者として、日々の世界の政治経済動向やマーケット変化をモニタリングしつつ、将来の相場見通し・投資方針の立案、投資の執行等に携わっています。膨大な市場データを基に将来の相場見通しや投資方針を立案することはとても根気のいる仕事ですが、CIIA受講を通じて、経済・金融理論を幅広く且つより実務的な目線で学んだ経験は、収集した大量の情報を学術的・論理的に頭の中で整理して自分なりの見通しや方針を導出する上で、とても有意義であったと考えています。

また、CMA試験も同様のことが言えますが、経済・金融知識を広範に勉強する中で、例えば、株式分析やコーポレートファイナンス等の知見をより実務的な目線で深めることができたことは、株式投資やM&A、PE投資等、まだ携わったことのない世界に入り込める素養を多少なりとも養うことができたと前向きに捉えています。現在従事しているクレジット投資業務とは異なる投資業務に将来携わるチャンスがあれば、CIIA受験を通じて学んだ見識を活かしながら新たな投資運用経験を積んで、いずれは大きなマーケットのうねりをうまく乗りこなし、あらゆる局面でリターンに貢献できる見識豊かな市場運用人材へと成長できるよう研鑽を積んで参りたいと考えています。

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