「隠れ富裕層」の探し方

「隠れ富裕層」の探し方「隠れ富裕層」の探し方

金融アドバイザーであれば、富裕層は最もアタックしたい対象先だろう。しかし、その分、優良企業のオーナー社長といった分かりやすい富裕層は各金融機関が営業をかけるので競争率が高い。

競争率があまり高くない「隠れ富裕層」は一体どこにいるのだろうか。今回は「隠れ富裕層」の探し方に関するアイディアを一緒に考えてみよう。

「隠れ富裕層」の探し方

金融アドバイザーの場合、所属先が帝国データバンクや日経テレコン、東京商工リサーチ、ブルームバーグといった情報ベンダーと法人契約していることが多いだろう。しかし、反対に言えば多くの金融アドバイザーが同じデータベースにアクセスしているということだ。

実は、世の中には無料もしくは少額で使える情報はいくらでもある。そのような情報源を使えば「隠れ富裕層」にたどり着き、競争相手の一歩先をいけるかもしれない。

例えば、保健所に行けば、その地域の医療法人のリストを無料または有料で取得できる。ネットに掲載されているケースもある。民間のデータベースはすべての該当企業を網羅するわけではないが、行政が絡んでくると開示率は100%だ。なお、保健所では飲食店のリストも入手できる。

「かつてこの周辺、全部うちの土地だったんだ」が口癖の地主に会ったことがある人もいるかもしれない。そのような地主は、土地を切り売りしていった結果、その多くが一丁目一番地や二丁目一番地など「一番地」に住んでいることが多い。担当エリアの「一番地」をもう一度確認してみてはどうだろうか。

ウェブ版の電話帳であるiタウンページを使えば○○丁目レベルまで検索したり、特定の業種を絞ったりすることができる。担当営業範囲の中でも特に詳しい地域を調べて見て欲しい。きっと「え、こんなところに法人が!?」と驚くだろう。資産管理会社やサムライ業の場合、自宅住所で登記をすることもある。豪邸の住所に法人があったら資産管理会社の可能性も高い。

富裕層が資産管理会社を設立する理由

資産管理会社を保有している人は富裕層である確率が非常に高いので、しっかり情報収集したいところだ。富裕層が資産管理会社を設立する理由を知っているだろうか。

株式の配当収入は約20%の「配当課税」が課されることが一般的だ。しかし「上場企業の株式を3%以上保有している個人」の場合、日本の税制では、その配当収入は総合課税の対象となり、他の所得と合算されてしまう。つまり、配当収入が所得税の対象となるので、所得が4000万円を超える人は最高税率の45%となり、住民税10%と合わせて55%が課されてしまうわけだ。

対象金額が高額なだけに20%と55%はとてつもなく大きな差だ。そこで節税対策として上場企業の大株主が行っているのが、保有株式を資産管理会社に移してしまう方法だ。資産管理会社は法人なので、配当収入は法人税の対象となる。

例えば東京都の法人税実効税率は約30%。個人で受け取る55%に比べて、だいぶ税率を下げることができる。対象金額が高額なだけに、法人設立費やランニングコストに鑑みても、十分におつりがくるというわけだ。

上場企業オーナーほどのリッチでなくても資産管理会社を設立するメリットはある。富裕層営業をしているなかで、高級車の購入代金や高級レジデンスの賃料を法人経費としている人に出会ったことはないだろうか。もちろん会計ルールに則って会計処理をする必要はあるが、法人は費用計上の幅が大きく、さらに赤字(繰越欠損金)は最大9年繰り越すことができる。

「富裕層の常識」を身につけて富裕層営業を深化させる

このような「富裕層の常識」を学んでおかないと、いざ対面したときも軽くあしらわれてしまい、ビジネスに繋がらないだろう。反対に、上記のような知識があるうえで面談に臨めば「こいつは分かっているな、同じ土俵で話ができるな」と一目置いてもらえるはずだ。

そんな「富裕層の常識」を体系的に学べるのが「プライベートバンカー資格」だ。50年余に渡り、金融のプロである「証券アナリスト」を育成してきた公益社団法人日本証券アナリスト協会が、2013年にプライベートバンカーとして活躍するために必要な知識を体系化して学べる同資格をスタートさせた。

あなたも「富裕層の常識」を身につけて、富裕層営業を深化させてはいかがだろうか。

>>資産管理会社の仕組みといった「富裕層営業の常識」を身につける

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