富裕層の見つけ方

富裕層の見つけ方富裕層の見つけ方

富裕層営業、特に富裕層開拓をしている人にとっての大きな悩みは、「いったい富裕層はどこにいるのだろうか」ということではないだろうか。富裕層のなかには、余計なトラブルを避けるために質素な生活を送る人も多く、外見だけで判断することは難しい。

今回は、そんな富裕層を開拓するためのひとつのアイディアとして「資産管理会社リストの作り方」を紹介する。

リスト選定の巧拙は死活問題

努力を重ねているのにも関わらず営業成績が伸び悩んでいるのなら、顧客リストを見直してみる良い機会である。新規開拓にしても、休眠口座の掘り起こしにしても、リスト選定ほどPDCAを回した成果が数字に直結するプロセスはない。

特に富裕層向けサービスを営業している場合は、せっかく話を聞いてくれる相手を見つけても、その人が富裕層向けサービスを受けるだけの資格(資力)がなかったとしたら、その人を見つけるまでの手間、資料の準備、外交時間が全て水泡に帰す。

従って、富裕層営業パーソンにとって「その対象先が本当に富裕層か?」どうかは死活問題となる。そこで注目したいのが「資産管理会社」だ。資産管理会社とは、富裕層が税制対策のために立ち上げる会社の総称だ。資産管理会社を持つ人は極めて高い確率で富裕層であると言えるだろう。

資産管理会社リストの作り方

では資産管理会社のリストは、どうやって作ることができるのだろうか。富裕層営業パーソンは、所属する会社で帝国データバンクや日経テレコンを使用できるケースも多いだろう。検索条件を工夫すれば、資産管理会社だけ抽出できることができるかもしれない。例えば、
・従業員:5名未満
・売り上げ:5000万円以上
・営業科目:「貸事務所業」「貸家業」「その他投資業」など
でスクリーニングしてみてはどうだろうか。原則として資産管理会社はファミリーカンパニーであり、不動産や有価証券を保有することが多いため、資産管理会社の可能性が高い企業一覧が表示されるのではないだろうか。検索条件を足せば地域を絞り込むこともできる。

多くの富裕層にとっては、税金は大きな悩みだ。彼らが資産管理会社を立ち上げている背景には、所得税対策や相続税対策(事業承継対策)といったニーズが垣間見える。そのような富裕層の悩みや対応策を理解しているほど、言い換えれば「プライベートバンキング(PB)」への造詣が深いほど、リスト選定の精度は向上するだろう。リスト選定の精度向上は、富裕層への接触回数の向上に直結する。

PBスキル向上が富裕層に接触する鍵

営業の過程は「マーケティングプロセス」と「コンサルティングプロセス」に大別できる。PBへの理解が深ければ、富裕層がなぜ資産管理会社を設立するか理解することができ、資産管理会社を軸としたリスト選定を思いつく。このように、コンサルティングプロセスの練度が高いほど、その知識を転用できるマーケティングプロセスの精度も向上するわけだ。

50年余に渡り、金融のプロである「証券アナリスト」を育成してきた公益社団法人日本証券アナリスト協会では、2013年にプライベートバンカーとして活躍するために必要な知識を体系化して学べる「プライベートバンカー資格」をスタートした。資産管理会社はPBのほんの一部分である。富裕層営業、富裕層開拓のツールとして、PBスキルを身に着けてはいかがだろうか。

>>富裕層営業のスキルを身につける

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