メガバンク冬の時代到来! AIに職を奪われる前に行うべきこと

メガバンク冬の時代到来! AIに職を奪われる前に行うべきことメガバンク冬の時代到来! AIに職を奪われる前に行うべきこと

先日、「とあるメガバンクが2018年度にも、中小企業向け融資の審査に人工知能(AI)を導入する」と報道された。財務諸表や日々の入出金の状況などを分析し、貸出額や貸出金利を決めるという。人件費がかからないため、これまでより低利の融資が可能になるそうだ。

AIによる個人向け融資は、既に、正式にサービスが開始されている。資産運用に目を転じても、いわゆるロボットアドバイザー(ロボアド)が資産形成層を中心に広がりを見せている。

AI化が逆流する可能性は極めて低い。特にAI化の荒波を受けるのが、高給取りで社会的信用も高かった銀行員と言われている。この状況下において、AIに職を奪われる前に、銀行員はどのような行動を取れば良いのか。

銀行員もマーケティング(新規開拓)スキルを

銀行員もマーケティング(新規開拓)スキルを身につけることが重要だ。営業のプロセスは大きく「マーケティングプロセス」と「コンサルティングプロセス」に分けることができる。マーケティングプロセスは対象先を選定してアポを取るまでの前工程、コンサルティングプロセスはアポを取ったあとの後工程のことだ。

多くの銀行員は、既に繋がりのある既存顧客を回る、いわゆるルート営業が中心なので、新規開拓の技術はあまり必要ないと思っているかもしれない。しかし、AI化によって、業務内容や所属先が変わり、新規顧客を開拓する必要性に迫られるときが来ないとも限らない。そのようなとき、見ず知らずの顧客を前に、有益な話ができるだろうか。

そのためには、やはり専門的なスキルが必要だろう。ひとつのアイディアが「プライベートバンカー資格」の取得だ。

例えば、銀行から転職したとある独立系フィナンシャル・アドバイザー(IFA)は「銀行勤務時代は、既に取引のあるお客様に対して深堀りする既存先営業が基本でしたが、IFAの場合は新規のお客様が多く、金融コンサルタントとしての守備範囲を拡充する必要性を痛感しました」と語る。

そして「そのためプライベートバンカー資格を取得しました。お客様は、どのような属性で、何に悩んでいるのか、どんなことに関心を持っていて、どういうことを聞いてほしいのか…。そういったことを問う試験内容で、まるで先輩プライベートバンカーが、それまで蓄積してきた自分のコンサルティングのノウハウを、懇切丁寧に教えてくれているかのような内容でした」と続ける。

生身の金融アドバイザーの価値

銀行員の多くが、既に転職を決意しているわけではないだろう。ただ上記の例は、環境変化によって、求められるスキルが変化するひとつの実例とも言える。そして、その環境に適応するひとつの道標が前述のPB資格ではないだろうか。資格の取得は、コンサルティングプロセスにも良い影響を与えることに加え、銀行員という肩書に高いスキルという信用力がプラスされる。

プライベートバンカー(PB)資格では、富裕層やマス富裕層を対象に、資産保全、事業承継、相続支援などの包括的な金融サービスを提供するプロフェッショナルとして必要なスキルを習得する。50年余に渡り、金融のプロを育成してきた公益社団法人日本証券アナリスト協会が認定している。

広く情報を収集し、相関性を見つけ出す力でAIに勝つことは難しい。しかし、融資や資産運用は、あくまで夢や目標を達成するための手段であり、人間はひとりひとり異なる価値観を持っている。それに寄り添い、より適切なソリューションを提供するのが、今後の金融アドバイザーの存在意義になるだろう。

今はそこまで問題が表面化していないかもしれない。だからこそ今のうちに、金融業界の変化に適応したアップデートをしてはいかがだろうか。

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