法人担当者が社長から真の信頼を勝ち取る方法とは

法人担当者が社長から真の信頼を勝ち取る方法とは法人担当者が社長から真の信頼を勝ち取る方法とは

法人担当者は、その立場上、濃淡はあれ経営者に接することができる存在だ。少なくとも、その経営者を「ド新規」で営業するリテール営業担当者に比べて、有利な立場にいることは間違いない。

特にオーナー企業では、法人の悩みと個人の悩みが表裏一体になっているケースも多い。法人担当者が、オーナー個人の課題もあわせて解決するソリューションを提供できれば、他社とは大きな差別化になるだろう。今回は、法人担当者こそ身につけておきたいスキルを見ていこう。

個人P/Lと個人B/Sとは

まず、個人の財務諸表の考え方を身につけたい。法人の企業経営にP/L(損益計算書)とB/S(貸借対照表)があるように、個人の人生経営にも「個人P/L」と「個人B/S」がある。

証券アナリストの教育体系証券アナリストの教育体系証券アナリストの教育体系

(提供:ZUU online)

個人P/Lでは、ある期間に自分が稼いだ額(収益)、使った額(費用)、どのくらい残ったのか(利益)を整理し、お金の流れを把握することができる。多くの人にとって1ヶ月や1年が馴染みある期間だろう。

個人B/Sでは、自分が一体いくら価値のある財を築いており(資産)、どのくらい他からお金を借りているか(負債)、差し引きで純粋な自分の資産がいくらあるのか(純資産)を整理し、把握することができる。

個人P/Lと個人B/Sは密接に結びついており、個人P/Lで生まれた利益(キャッシュフロー)が個人B/Sに「金融資本」として積み上がるわけだ。

オーナー経営者の個人B/Sの例

それではオーナー経営者(中小企業経営者)の個人B/Sの典型的な例を見てみよう。よくあるパターンは自社株が4〜5割、不動産が2~3割、残りが現金や有価証券で「資産の大部分が自社株と不動産で、それらと相対的には現金をあまり持っていない」という人も少なくない。

証券アナリストの教育体系証券アナリストの教育体系証券アナリストの教育体系

(提供:ZUU online)

このケースの場合、思ってもみないタイミングで資産承継(事業承継)が起こってしまったときの現金不足が悩みだ。自社株も不動産も現金化しづらい資産であるのに対し、相続税は現金で支払わないといけない。法人の場合、未払いの法人税は負債だ。同じように個人の場合でも、未払いの相続税は負債と考えられる。資産承継のポイントは「増えづらい金融資産」と「増え続ける相続税額」のギャップをいかに埋めるかだ。

バランスシートアプローチ

ではどうすればいいのだろうか。上記の場合は、相続税額を減らすか、金融資産を増やすことが重要だ。前者の対策としては自社株や不動産の評価額圧縮、後者の対策としては資産運用を行うことが挙げられる。普遍的な解決策であり、この流れであれば、経営者も耳を傾けてくれるかとは思うが、それだけでは顧問税理士やオーナー個人担当の証券会社営業マンと変わらない。法人担当者ならではのプラスα、例えば顧客の事業の状況を把握しているからこそ可能となる施策実施のタイミングまでアドバイスすれば、大きな差別化となる。

なお「個人P/Lと個人B/Sを可視化し、問題点に対する対策を打つ手法」は「バランスシートアプローチ」と呼ばれており、プライベートバンカー(PB)が富裕層の資産管理を行う手法のひとつだ。自然と資産が分散することが多い富裕層は、自分の資産総額や割合を正確に把握できているケースはそう多くない。

特にオーナー経営者の場合は、自社株(出資持分)が資産管理に与える影響が強い。PBスキルは、まさにオーナー経営者自身の関心も高い資産承継の領域をしっかりカバーできるスキルと言える。

法人担当者こそPBスキルを

言い換えれば、法人担当者がPBスキルを身につけることができれば、個人と法人の包括的な金融コンサルティングを経営者に提供することができるだろう。そこで検討したいのが、50年余に渡り、金融のプロを育成してきた公益社団法人日本証券アナリスト協会が認定する「プライベートバンカー資格」の取得だ。

PBスキルはオーナー経営者の資産管理のノウハウが詰まったものであり、法人担当者が身につけることができれば、オーナー経営者から真の信頼を勝ち取ることができるだろう。あなたもオーナー個人のニーズも加味した提案を行ってみてはいかがだろうか。

>>担当法人に包括的なコンサルティングを行う

公益社団法人日本証券アナリスト協会は「ASIF(アジア証券・投資アナリスト連合会)」「ACIIA(国際公認投資アナリスト協会)」のメンバーです。
「CMA」「日本証券アナリスト協会認定アナリスト」「Certified Member Analyst of the Securities Analysts Association of Japan」は、公益社団法人日本証券アナリスト協会の登録商標です。

ページ先頭へ戻る

© 2015 The Securities Analysts Association of Japan.
当ウェブサイト内の文章・画像等の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。