金融パーソンが「考える営業」を行うために必要なこととは?

金融パーソンが「考える営業」を行うために必要なこととは?金融パーソンが「考える営業」を行うために必要なこととは?

仕組債をセールスしているとき、ノックインや最大損失の説明をするだろうが、お客さんに深く突っ込まれたらどうすればいいのだろうか。投資信託のなかには株式、高金利通貨戦略、株式カバードコール戦略、為替カバードコール戦略といった4階建て投信も存在する。大事な商談のときに「カバードコール戦略って何?」と聞かれたらどうすればいいのだろうか。

あなたは株式や投資信託、債券を提案するために証券外務員資格を取得したのかもしれない。そして、丸暗記したセールストークや目論見書通りの注意事項を顧客に説明しているのかもしれないが、上記のように不安になったり焦ったりしたことは、一度や二度ではないだろう。

自分で考えて動ける営業になるには

あるいは、投信会社が営業店に来てレクチャーしてくれる「ファンドのセールストーク」をそのままに顧客に投信を勧めてはいないだろうか。また、自分の頭で考えて、本当にこの顧客にぴったりな商品だと自信を持って勧めているだろうか。

人間は、自分の頭で理解できないことに対しては思考が停止してしまうものだ。反対に、理論武装しておけば「本当にそうか?」「なるほど、裏側はこういう仕組みなのか」と立ち止まることができ、自分で考えて判断できる営業パーソンになれるはずだ。

金融パーソンが「考える営業」を目指すならば不可欠な資格がある。それが「日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)資格」だ。企業価値の分析、ポートフォリオ理論、財務、マクロ経済などを基礎から体系的に学べる資格である。

50年余に渡り、金融のプロを育成してきた公益社団法人日本証券アナリスト協会が認定しており、金融業界を中心に多くの人が挑戦している。試験には第1次レベルと第2次レベルがあり、両方に合格し、3年間の実務経験のある人がCMAとして認定される。決して取得が容易な資格ではないが、その分、取得者は「本当の金融プロフェッショナル」として見てもらえる。

CMA取得のメリット

CMAは現場で奮闘する金融パーソンの大きな味方になる。CMAは大きく「証券分析とポートフォリオ・マネジメント」「財務分析」「経済」「職業倫理」に科目が分かれている。これらを網羅すれば、金融マーケットの動きや投資手法について理解が深まり、お客様からの高い信頼を得ることができる。

例えば、パッシブ運用とアクティブ運用の違いやその現状について、自分の言葉で自信を持って語れるだろうか。名目GDPと実質GDPの違いを理解しているだろうか。なぜ世界金融危機後、世界中の中央銀行がこぞって量的緩和で景気を支えようとしたか説明できるだろうか。物価が上がると長期金利も上がると言われている理由はなんだろうか…。

それだけではない。将来は市場金融部門や投資銀行部門といった専門部署での活躍を目論んでいるのであれば、実際に行動で示して、人事決裁者にアピールしないといけない。自己申告書に自分の希望を書き連ねるだけでは、希望部署への異動は難しいだろう。専門部署の人間には必須となるCMAを取得し態度で示せば、希望の道が拓ける可能性は確実に高まる。

現場の金融パーソンこそ持っていたいスキル

証券アナリストの仕事とは「企業価値を分析し、それが株価に正しく反映されているかを考察し、投資家に投資アイデアを提供する」ことである。企業価値が高いにも関わらず株価が安ければ買い推奨のレポートを出し、その逆であれば売り推奨を行う。

もちろんCMAを取得した人全員がアナリストになるわけではないが、今後値上がりしそうな資産を顧客に買ってもらい、実際に喜んでもらうためには、むしろ現場の営業パーソンのほうが持っていたいスキルではないだろうか。自分で考えて動ける営業になり、お客様に喜んでもらおう。

>>専門スキルを身につけ自分で考えて動ける営業を目指す

公益社団法人日本証券アナリスト協会は「ASIF(アジア証券・投資アナリスト連合会)」「ACIIA(国際公認投資アナリスト協会)」のメンバーです。
「CMA」「日本証券アナリスト協会認定アナリスト」「Certified Member Analyst of the Securities Analysts Association of Japan」は、公益社団法人日本証券アナリスト協会の登録商標です。

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