図書紹介

第3版/[目的別]組織再編の最適スキーム
法務・会計・税務

貝沼彩/北山雅一/清水博崇/齊藤修一 著(清文社)

 本書は、組織再編を実施するに至る目的に応じて、それに適したスキームを構築する思考回路に沿って解説している点が、類書と比べた特徴となっている。巻頭で、組織再編パターンを7つにまとめた図で俯瞰できるようにし、各パターンでの現状と組織再編後の体制を示し、再編のための手続きや、第2章以下で詳しく解説している関係項目との対応関係を掲げている。

 第1章総論では、その7つのパタ―ンとして、第1に基本的な手法である株式譲渡・増資、第2に2つ以上の会社が1つになる手法の新設合併と吸収合併、第3に会社からある事業を切り出す手法の新設分割と吸収分割、第4に持株会社体制等を構築する株式交換・株式移転・株式交付、第5に合併や会社分割とは異なる契約行為の事業譲渡、第6に出資や配当を金銭以外の財産で行う現物出資・現物配当(税務上は現物分配)、第7に事業を廃止する解散・清算・破産と再生について、概説している。そして、組織再編の目的は、個々の案件をみると多くの論点が出てくるものの、大きくは、事業運営の最適化・効率化等、買収・提携等、事業承継、事業再生になるとして、その目的に適したスキームを選択すべきとしている。例えば、事業承継の場合に、複数の後継者がいた場合、その人達の関係も考慮して事業承継スキームを検討する必要がある。承継者ごとに会社を分割する際には複数のスキームが考えられ、それぞれのスキームのメリット・デメリットを記載し、事案ごとのスキーム検討に役立てるようにすべきとしている。

 第2章 組織再編手法のアウトライン、第3章 目的からみる組織再編スキームで、詳細な解説がなされたあと、第4章 実践編:具体事例で、顧客からのリクエストに対してスキームの構築と実行を法務、会計、税務の観点から紹介している。

 これにより、顧客からの相談に応じて適切なスキームを提案する専門家や企業の経営管理に携わる部署のスタッフにとって、実務の現場で役立つものとなっている。

 著者は、貝沼彩(公認会計士・税理士)、北山雅一(公認会計士・税理士)、清水博崇(税理士)、齊藤修一(司法書士・社会保険労務士)

目次

図解   組織再編パターン一覧
第1章 総論
第2章 組織再編手法のアウトライン
第3章 目的からみる組織再編スキーム
第4章 実践編:具体事例

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