プライベートバンカー資格
公共社団法人 日本証券アナリスト協会-The Securities Analysts Association of Japan
Login
マイページ・PB専用ページをお持ちの方はこちら。受験・資格関連情報の閲覧、各種割引の適用などができます。

シニアPB試験
合格体験記

不動産と金融を融合した視点からのファミリービジネスへの取組みを目指して

白田 知博 さん

住友不動産販売株式会社 
法人開発部主任
海辺 信年 さん
2014年6月シニアPB資格認定

シニアPBを目指すまで

1987年に証券会社に入社以降、会社はいくつか変わりましたが、20年余に亘り金利の市場部門を中心とした業務に携わってきました。証券アナリスト資格は、業務上身近な資格であったこともあり、この間に取得しました。

2008年に法人総合窓口の担当となり、機関投資家相手の仕事から、公共団体、学校法人、宗教法人などへと顧客層が広がり、これまでの経験値の範囲を超えた状況に直面する機会も増え、世の中の多様性を実感し、リレーションシップ・マネジメント(RM)の面白さ、難しさ、怖さ等に改めて気付かされました。

法人総合窓口としての業務の中には、不動産証券化スキームでエクイティ部分への投資を行った投資家へのアフターフォロー等があり、想像以上に多様な投資スキームが世の中で実践されていたことを痛感しました。一方で、不動産というアセットに対して関心が向き始め、顧客のポートフォリオの多くの部分が、実は不動産関連であり、自分が関わってきた有価証券は、多くの投資家層にとっては主としてその余裕資金の範囲で行われている、ごく限られた世界であることのでは、と感じ始めることにもなりました。

そんな折に、勤めていた証券会社で早期退職の募集があり、キャリアチェンジの好機と捉えて退職し、まずは不動産鑑定士の勉強を始めました。そして、鑑定士の一次試験をクリアした頃に、協会がプライベートバンカー(PB)資格試験を始めることを知りました。

それまで培ってきた有価証券の知識と、今、勉強している不動産の知識を活かせる、PBとはそうした資産全体を総合的に扱うプロフェッショナルで、面白い資格だなと関心を持ちました。50歳過ぎにしてなぜか勉強することに目覚めた勢いもあり、興味半分でPB資格試験のプログラムを覗いてみることにしました。

不動産鑑定士とシニアPBのダブル受験で苦労

2013年10月からシニアPBのコンピュータ試験をほぼ毎月1単位ずつクリアして、2014年1月にはシニアPB 筆記試験の受験に必要な3単位が揃いました。ただ、その頃、不動産市況の改善もあり現在の会社に入社して会社員生活を再スタートさせていたこともあって、資格試験の準備にあてることのできる時間は極めて限られることとなっていました。当時はシニアPB筆記試験の受験期間が3単位合格時から1年間しかなかったので、不動産鑑定士の二次試験準備を優先させてPB筆記試験は断念するか、引き続きトライするのか多いに悩みました。しかし、折角受験資格を獲得しながらトライすることなく撤退するのも不本意でしたので、敢えてリスクは覚悟で二兎を追うことにしました。その結果、往復の通勤時間、平日の帰宅後、土日は可能な限り勉強に充てるという生活に陥りましたが、2014年2月にPB筆記試験の投資政策書を書き上げて提出し、合格することが出来ました。さらに、その夏の不動産鑑定士二次試験にも無事合格することができました。

CMA、PB、不動産鑑定士資格を活かしたファミリービジネスへの視点

証券会社勤務時代にはあまり活用した印象のないCMAで得た知識は、意外にも不動産の世界に入ってから活用する機会が出てきました。例えば、事業用不動産の価格を査定するには、当該事業の運営主体であるホテルやパチンコ店等のバランスシート等を分析して、その事業体の安全性や将来の収益予想を自分で立てなければなりません。また、経済情勢や金融市場の動向も重要なファクターであり、それらを総合的に判断する必要に迫られます。金融業界の外に出て初めて、CMAで培った実学としての有効性を実感しました。

また、シニアPBの学習で得た知識も大変有意義なもので、不動産の取引ニーズは富裕層の相続対策、事業承継に絡んで出てくるケースも多いですが、こうした取引ニーズの背景を理解するのに大いに役立っています。また、企業オーナーの相続税を将来の負債と捉えてそのファミリー全体の資産構成をバランスシートとして把握するという、ファミリービジネスの発想は今までの自分にはなかったものでした。

また、不動産取引の実務の世界では、REIT・ファンド等は別として、不動産の個別性が強調されて投資判断がなされる傾向が強く、投資対象としての理論的分析(金融商品との対比や価格分析等)はあまり重視されていないように感じます。しかし、不動産に金融工学の切り口などを応用する等により金融市場と不動産市場との関連性を具現化できれば、投資ビジネスの世界が変わってくるように感じています。現在は、まだ不動産鑑定士として活動するために必要な実務修習というプログラムを受講中ですので、まずは、これを無事に修了することが当面の目標ではありますが、その後の展開としては、その具現化に貢献できるような活動をしていきたいと考えています。

これまで日本経済の根幹を支えてきた中小企業では、高齢化で廃業するケースが増えていると聞きます。オーナー企業の事業分析とともに、事業承継と不動産や有価証券等を合わせた総合的な資産管理といった視点から、ファミリービジネスの存続を目指すという方向性は、日本経済の活性化につながる可能性があると思います。証券アナリストの皆様は、その見識を総論としてのPBの知識の土台の上に載せることで、そうしたコンサルティング能力を備えることができ、日本経済の活性化に貢献できる可能性を秘めていると思います。若手の方は勿論、ベテランの方も今までの経験が存分に生かせる世界ですので、是非、一度、その世界を覗いてみていただけたらと思います。

  • facebook
  • twitter
  • YouTube
検索キーワード:
© 2015 The Securities Analysts Association of Japan.
当ウェブサイト内の文章・画像等の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。