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理事からのメッセージ

2008年10月1日

 私は永年証券会社の経営に携わってきましたが、同時にほぼ同期間、証券業協会をはじめ幾多の業界団体の委員、役員等を務めて参りました。業界団体の目的は定款等に表明されていますが、平易な言葉にすれば、健全な証券投資を遍く国民各層に広めるには何をすべきであるか、が責務であると思います。私もそれぞれの団体の在任中はこうした責務を念頭において、その実効性ある決論を模索して参りました。こうしたものの成果を測るメルクマールのひとつとして私は個人金融資産に占める証券類の保有割合を重視しています。欧米諸国の同保有割合とまではいかないものの、少なくとも現行の2倍程度の保有率にすべきであると思います。残念ながら同比率は前3月期末で、16.5%と10年前とほとんど増加していないのが現状です。

 CMA合格者はすべてが証券関係者ではないものの大部分の人はこの目的を共感していると思いますが、私なりのひとつの問題点としてCMA合格者はセルサイドであれ、バイサイドであれ、ともすれば最終ユーザーと直接接触することが少ない部署で働いているケースが多いために、個人投資家や潜在的個人投資家の導入に関しては、十分な寄与ができていないような気がします。

 大部分のCMAはアナリストとしてリサーチアナリストや、ストラテジスト、フアンドマネージャー、インベストメントバンカー業務等の仕事をしており、こうした業務におけるカウンターパートは機関投資家が多く、本来の最終投資家である個人や潜在的投資家層である一般市民への働きかけや配慮に欠けることがあるように思います。アナリストはもっと証券取引の最前線に出て、直接個人投資家と対面し、証券投資の重要性を実地に広めるべきではないでしょうか。もとより証券アナリストは証券投資において優れた専門知識を有しており、個人投資家からは大きな信任を得られるものでありますから、見込まれる効果は大きいものでしょう。

 個人投資家にとってよりフレンドリーなアナリストの在りようはどのようなものであるかは、アナリスト協会内部でも未だ解明されていないようですが、金子前アナリスト協会長が個人投資家向けのアナリストプログラムの提唱をしたこともあり、昨年よりプライベートバンカーのセミナーが開始されたことは、個人の証券投資の拡大にひとつの答えを出してくれるのではないかと期待しています。

2008年10月
社団法人 日本証券アナリスト協会
理事 藍澤 基彌
(藍澤證券代表取締役会長兼社長、検定会員・CIIA)

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