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理事からのメッセージ

2008年5月1日「協会運営を預かる悩み」

 証券アナリスト協会の運営を預かる立場にあって悩むことがいくつかある。三つばかり挙げてみよう。

 まず第一は公益法人であるが故の悩みである。利益を追求する組織ではないから収支上黒字を出し続けるのは場合によっては問題になりかねないし、それがあまり大きく積み上げられるのも同様である。一方、赤字を出すことはそれ以上に問題である。いかなる組織であっても、それが永続するものであれば、財務基盤をしっかりしたものにする必要があることは当然である。一連の公益法人制度改革はこうした狭間にあって揺れ動いている。これは現実に経営に携わる者と、頭の中で、よくいえば論理的に公益法人を考える者との対立でもある。当協会が今回の制度改革の下で新しい公益法人となることができるかどうかを初め課題は山積している。

 第二は、会員の継続学習に関する問題である。検定会員にとって継続教育が重要なことはいうまでもない。検定会員が誕生してほぼ30年が経ち、今や総数は22千人に迫っている。多くの会員が業務繁忙の中にあっても、日々自己研鑽に取組んでいることは確かである。が、そうでない人も少なくない。協会としても「証券アナリストジャーナル」の提供に加え、CIIA(国際公認投資アナリスト)試験、年間80回にも及ぶセミナー・講演会、ホームページの整備などサービスの充実を図っている。
しかし、中々積極的な参加が得られないし、中には「証券アナリストジャーナル」は要らないから会費を負けてくれといわれるケースさえある。
検定会員に資格更新制度を設けるのが手っ取り早い方策であろうが、会員組織の性格上、今更これを実現するのは難しい。各種手当てを講じつつ、せめて継続学習の意欲を高めるために何かインセンティブを伴う形での工夫をするのが現実的ということであろうか。

 第三は、首都圏以外に在住する会員へのサービス提供である。通信手段の発達によって東京でも地方でも情報入手に差はなくなる筈(?)であるが、現実にはそうはいかない。やはり少なからぬ分野でフェイストゥフェイスに勝るものはないということは、否定できない。セミナー・講演会、会社説明会、証券アナリスト大会への出席などが最たるものであるし、数量分析教室やCIIA試験に関連するスクーリングもその例である。
ホームページの充実、セミナー・講演要旨の配付、地方主要都市での無料講演会の開催、地方会員のセミナー参加料割引などに取組んできたが、どれも決め手にはならない。いずれは動画で講演会の模様などを提供することにもなろうが、さてそれにより効果はどうなるか。
こうした状況の中で、地方の会員の相互交流を深めたいとの声が強くなってきている。近々「地区交流会」なるものを立上げ、地方会員の相互交流を図りつつ、自己研鑽の機会を作っていきたいと考えている。とにかく動いてみるしかない。

 これら以外にも悩みの種は尽きないが、幸い、会員のサポートと熱心な受講者の存在により、証券アナリストの育成を基軸に据えた当協会の運営自体は順調である。引続き検定会員・CMAのブランド価値の維持・高揚のために何をなすべきかを念頭に置いて、日々取組んでいくこととしたい。

2008年5月
社団法人 日本証券アナリスト協会
専務理事 萩原 清人

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