2004年証券アナリスト第2次試験の結果等について
平成16年7月
社団法人 日本証券アナリスト協会
I 試験の結果
- 日本証券アナリスト協会では、本年の証券アナリスト第2次試験を6月5日(欧米の試験会場)および6日(国内・アジアの試験会場)にわたって実施し、このほど別紙のとおり1,586名を合格者と決定しました。受験者数は3,496名、合格率45.4%です。なお、本試験において、後述のとおり、一部の答案が採点過程で紛失するという事故が発生し、合否判定上、所要の措置を講じました。
- (注)
- 第2次試験は当協会の検定会員(CMA®)となるための最終試験。本年は通算25回目(第1回は昭和56年、平成4年のみ制度切替えのため年2回実施)、今回を含めた累計では延54,254名が受験し、22,632名が合格、平均合格率は41.7%。
- 本年の第2次試験の特徴は以下の通り。
- (1)
- 合格者数1,586名は前年(1,528名)に比べ3.8%増加。なお、受験者数3,496名は前年(3,901名)に比べ10.4%減少。合格率45.4%は前年(39.2%)に比べ6.2%ポイント上昇。
- (2)
- 業態別合格者数は、多い方から銀行、証券、生命保険、信託銀行の順。またその他(金融以外の一般事業会社、大学生等)の構成比が引続き上昇。
- (3)
- 合格者の平均年齢は32.9歳(前年32.6歳)、最年長合格者は69歳(前年63歳)。最年長受験者は70歳(前年69歳)。
- (4)
- 女性合格者は106名。ちなみにこれまでの最高は一昨年の127名。今回を含めた女性合格者の累計は1,231名に上る。
II 答案用紙の一部紛失について
- 平成16年証券アナリスト第2次試験の一部問題(全19問のうち1問、420点満点のうち20点)に関し3,496名中の100名分の答案が採点の過程で紛失するという事故が発生し、今日まであらゆる可能性を考慮し探索しましたが、発見することが出来ませんでした。
- 厳正かつ公平に管理運営すべき試験において、あってはならない事態が生じてしまったことは誠に遺憾であり、また今回の事故は、個人情報の保護という観点からも重大な問題であると認識しております。
- 当協会の試験委員会・試験管理委員会で協議し、受験者の方がこの事故によって不利益を被ることのないよう、次のとおり対処しました。
- (1)
- 答案が全て揃っている受験者(3,396名)について、通常の合否基準で合格ラインを算出、合否を判定。
- (2)
- 一部の答案が紛失した受験者(100名)については、当該問題を満点(20点)として上記(1)の合格ラインに達していれば合格。
- (3)
- 全受験者(3,496名)について、一部の答案が紛失した受験者(100名)の当該問題得点を0点として、上記(1)と同じ合格基準を適用して新たに合格ラインを算出、(1)で不合格でもこの合格ラインをクリアすれば合格。
- 本件によって関係の皆様にご迷惑をお掛けしたことを深くお詫びします。当協会としては今後こうした事態が発生することがないよう、採点のプロセス全般を見直し、具体的なチェック手段を講じて試験の管理運営をより確実なものとする所存です。
- なお、責任の所在を明確にするために、関係役職員に対し人事処分を行いました。
II 答案用紙の一部紛失について」に関する追加説明
- Q:
- 具体的にどの問題に関することか。
- A:
-
19問中の1問で、420点満点のうち20点分です。これ以上具体的に申し上げると、出題者=採点者の特定につながる可能性があるため、どの問題か申し上げるのは差し控えます。
- Q:
- 誰が、具体的にどのように紛失したのか。
- A:
-
誰が紛失したかは回答を控えます。答案は採点者(原則として出題者)の自宅または勤務先に送付し、採点終了後回収しましたが、送付・回収には問題が無く、採点途中で紛失しました。具体的にどのように紛失したかは採点者にも記憶が無く、不明です。
- Q:
- 何故、誰が紛失したか明らかにしないのか。
- A:
-
誰が紛失したかの特定は本件の本質的な問題とは思えません。もちろん故意によるものではなく、プライバシ-にも配慮し、公表しないこととしました。
- Q:
- 個人情報の保護の点で問題とあるが、答案は流出したのか。
- A:
-
どのように紛失したか不明であり、流出したかどうかも確認できません。またこれまで、答案を拾得しているという第3者からの連絡等は一切ありません。
- Q:
- 答案には個人を特定できる情報が記載されているのか。
- A:
-
受験番号が記載されています。採点されていれば、点数も記載されていますが採点されたかどうかは、不明です。
(事実関係)
- Q:
- どういう基準で合否を判定しているのか。
- A:
-
一定割合の上位得点者の平均点を基準に、合否ラインを決めています。
- Q:
- 本文II 3.(2)の答案が一部紛失した受験者に対する特例措置によって、合格者は何人程度増えたのか。
- A:
-
厳密な計測は不可能ですが、種々の計数から判断すると若干名、多くても10名程度ではないかと思われます。
- Q:
- 本文II 3.(3)の根拠は何か。
- A:
-
100名の当該問題の点数が相対的に低かったとすると、本文II 3.(1)による合否ラインが高めになっている可能性があるかもしれない、という想定に立脚しています。
- Q:
- 本文II 3.(3)によって合格者は何人くらい増えたのか。
- A:
-
結果的にはこれにより合格となった人はいません。
- Q:
- 例年に比べて合格率が高いが、今回の事故による影響はどの程度あるのか。
- A:
-
正確な計測は不可能ですが、ほとんど影響はなく、仮にあったとしても1%以下と認識しています。
- Q:
- それでは何故、今回の合格率が高いのか。
- A:
-
証券アナリスト試験は「受験者が証券アナリストとして必要な一定の知識・能力を修得しているかどうかを認定」する試験であり、こうした基本認識を踏まえ、ここ2~3年、極端に難易度が高い問題を避けるようにしています。この結果、努力した人が報われる試験に近づいており、これが合格率向上につながったと考えています。
- Q:
- アナリスト協会は受講者減に対応するために、意図的に合格率を上げているのではないか。
- A:
-
そうしたことは一切ありません。一貫して同じ基準で判定しております。合格率を操作しても信頼の失墜につながるだけであると考えております。
- Q:
- 受験者には通知したか。
- A:
-
プレス向けお知らせとほぼ同じ内容の通知をしました。
- Q:
- 答案を紛失された100名には、その旨通知したか。
- A:
-
100名については既に最善の措置は講じており、他の受験者と同じ通知をしております。
- Q:
- 私の答案は紛失されたか。
- A:
-
100名の方には既に最善の措置を講じており、かたがた、試験という性格をも考慮し、どの受験者の方の答案を紛失したかについては開示を控えます。
- Q:
- 100名の人を不当に優遇しているのではないか。
- A:
-
答案紛失という重大な事態であるので最善の措置を講じたものであります。ただし、本文II 3.(2)の措置によって増えた合格者は若干名、多くても10名程度ではないかと思われます。100名以外の人にも本文II 3.(3)によって一定の配慮をしました。
- Q:
- 100名の人に優遇措置を講ずることによって、その他の人は不利益になっていないか。
- A:
-
入学試験のように、定員のある相対比較試験ならありうるかもしれませんが、証券アナリスト試験は絶対的な能力を問うのが趣旨なので、100名への措置によって、その他の人が不利になることはありません。
- Q:
- 協会からの通知文に「ご迷惑をお掛けした」とあるが、私はどのようなご迷惑を被ったのか。
- A:
-
試験の合否について「不利益」をお掛けしたことはありません。ただ、本来あってはならないことが生じたわけで、こうした通知を読むこと自体がご迷惑であろうと考えお詫びしています。
- Q:
- 私の答案を紛失扱いとして、合否を再判定してもらいたい。
- A:
-
関連委員会の正式の手続きを経て合否は決定しているので再判定はできません。3,396名で試験は成立したとしてII 3.(1)で判定し、特殊事情も考慮し、II 3.(3)で不利益を被らないよう配慮を加えている点にご理解を頂きたいと思います。
(合否関係)
- Q:
- 具体的な再発予防策は何か。
- A:
-
協会内の体制は概ね整備されていると思われますが、これをさらに徹底するとともに、外部関係を意識して以下の方策を速やかに講ずる予定です。
(1) 答案受渡時の数量チェックを徹底する。
(2) 答案は1採点者あたり複数箇所には送付しない。
(3) 全答案のコピーを取る。
(4) 超繁忙な委員には採点を依頼しない。
(5) 採点中答案の保管のために施錠できる容器またはトランクを貸与する。 - Q:
- 協会内の体制整備として具体的に何を行ったか。
- A:
-
個人情報保護のためにここ一年間で次の施策を講じました。
(1) 関連規定の整備
(2) 受講・受験者および会員管理システムの管理強化
システム立ち上げ権限者の限定
端末利用者のパスワード管理徹底
データ出力(FD変換、印刷)のパスワード等による管理強化
管理職によるログファイルの定期的チェック
(3) 個人情報等機密資料の保管ならびに廃棄処分の厳格化
(4) 関連取引業者に対する管理強化(立ち入り検査の実施等) - Q:
- 自宅や研究室で採点していることが問題ではないか。
- A:
-
答案を集中管理して採点することも理屈の上では考えられます。ただし、その場合は採点者は多数のボランティアやアルバイトに依存することになります。採点の質という点では現在の方式が優れており、当面これを継続します。
(再発防止関係)
- Q:
- 人事処分の対象・内容は。
- A:
-
今回の答案紛失の件は採点者との答案の受け渡しや採点者に対する答案の厳正管理に関する注意喚起の面で一層の改善を要する点があり、結果として協会の信用を大きく損なう事態を招いたことを重く受け止め、担当役員ならびに幹部職員について次のとおり人事処分を実施しました。
役職 氏名 処分内容 専務理事 萩原清人 戒告、減給10%3ヶ月 事務局長 平賀八郎 戒告、減給10%1ヶ月 事務局次長 阿部大輔 戒告 事務局次長 金子誠一 戒告 - Q:
- この処分で十分と考えているのか。
- A:
-
本件に関しては、まずは受験者に不利益を被らせないこと、そしてこうした事態を再び発生させないことが最も重要です。しかし、受験者を始め関係者に迷惑を掛けたのは事実であり、やはり管理責任を明確にする必要があると考え、今回の処分を行った次第です。
- Q:
- 答案を紛失した採点者は処分しないのか。
- A:
-
外部の試験委員であり、当協会に懲戒権はありません。なお、当該委員からは当協会関係の役職辞任の申し出があり、これを受理することとしております。
(処分関係)
- Q:
- 試験をやりなおすべきではないか。
- A:
-
ほとんどの答案は通常通り、採点されており、答案を紛失された受験者も特定できています。また、当然ながら紛失された受験者のその他の答案(420点中の400点)も通常通り採点されております。ここから、試験は有効に成立していると考えています。
- Q:
- いつ紛失が分かったのか。
- A:
-
最終的に紛失と結論したのは7月13日です。
試験日
答案整理
協会からの発送
採点者への配達
採点者からの回収
紛失発見
調査打ちきり6月5、6日
6月7日~11日
6月14日
6月15日
7月6日(協会到着7日)
7月7日
7月13日 - Q:
- 何故もっと早く公表しなかったのか。
- A:
-
試験の性格に鑑み、委員会における協議決定を待って公表したものであります。
(その他)
以 上
第2次試験業態別合格者数等

- 平成16年証券アナリスト第2次試験合格者名簿はこちら[PDF](2.1MB)


