CIIA®(国際公認投資アナリスト)とは
2011年7月
CIIA®(Certified International Investment Analyst,国際公認投資アナリスト®)は、国際的に認められた証券アナリストの資格です。
この制度は、画一的な基準によらず、各国固有のかつ多様な制度やルール、言語等を尊重しつつ、市場のグローバル化に対応できる証券アナリストを育成することを目的とし、ACIIA®(The Association of Certified International Investment Analysts:CIIA®を管理・運営する目的で2000年6月に設立された非営利法人、本部スイス)の行う試験の合格者に国際資格称号CIIA®を授与するものです。ACIIA®は、世界34ヶ国の証券アナリスト協会とアジア・ヨーロッパの2証券アナリスト協会連合会からなる36メンバーで構成しています。昨年11月には、CIIA10周年記念セミナーが東京で開催されました。
試験は2001年3月に第1回が実施され、2011年9月で通算22回となりました。また2011年9月試験までのCIIA®資格保有者は世界全体で6,202名、このうち当協会検定会員(CMA®)は、2,422名です。
ACIIA®参加協会の間では、「ポータビリティ」と称し、CIIA®資格の国際的価値を一層高めるため、自国協会以外に所属するCIIA®資格保有者に対して自国協会員としての受入れ・便宜供与を進めており、現在、当協会を筆頭に海外においても香港、スイス、ドイツ、フランスなどの各協会がこうした措置を実施しています。また当協会を含め一部のACIIA®メンバー協会では、外国のCIIA®保有者に対して自国の資格試験の一部免除を行う動きもでてきております。
さらに、英国金融サービス機構FSA(Financial Services Authority)や一部のメンバー協会所属の国では、当局が証券関連業務従事者に義務付けている要件を満たしている資格としてCIIA®を認定しています。また、ACIIA®は、各国当局または各国証券アナリスト協会が実施している資格試験の一部または全部が、CIIA®保有者に対して免除されるよう認定を得るべく努力しております。このような実績の積み重ねによりCIIA®の価値は、今後一層向上していくものと期待されます。
制度の概要
- 管理運営機構
CIIA®の管理・運営主体はスイスに本部のある非営利法人であるThe Association of Certified International Investment Analysts(ACIIA®)です。ACIIA®には、下表の34協会のほか、欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS)、アジア証券・投資アナリスト連合会(ASIF)の2連合会が加盟しており、さらに多くの国・地域の協会が参加を検討しています。
試験ガイド・学習要領の作成、CIIA®試験問題の選定・採点、各国試験プログラムの評価などCIIA®試験制度の共同運営・管理に関する基本事項は、ACIIA®の下部機構として世界各国の学者・専門家で構成されるInternational Examinations Committee(IEC、日本からは現在小林孝雄青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授が委員として参加)が定めます。また、実際の試験の運営は、スイスにあるCenter for International Examinations(CIE)の一元的管理のもとに、ACIIA®に参加する各国協会が行っています。地域別加盟協会
アジア(7協会) 日本、中国、台北、香港、インド、イラン、韓国 ヨーロッパ(19協会) オーストリア、ベルギー、ドイツ、フィンランド、フランス、ギリシャ、オランダ、ハンガリー、イタリア、 カザフスタン、リトアニア、ルクセンブルグ、 ポーランド、ポルトガル、ロシア、スペイン、スウェーデン、スイス、ウクライナ 中南米(4協会) アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、ペルー アフリカ(4協会) ケニア、モロッコ、ナイジェリア、チュニジア - (注)
- ®・・・商標権(trademark right)登録済みの表示
- 試験実施時期と実施地
- (1)
- 毎年春秋の2回(原則として3月と9月)実施されます。
- (2)
- 試験会場は東京、大阪、ニューヨーク、ロンドン、香港(香港協会に委託)に設置します。このほか、パリ、フランクフルトなどACIIA加盟協会の所在地での受験も可能です。
- 受験資格
CIIA®試験を受験できるのは、制度に参加する各国のアナリスト協会が認定した者に限定されます。4.で述べるように、当面、国際共通試験の最終試験(6時間)のみが実施されます。当協会の検定試験制度は最終試験に直接参加できるプログラムとしてIECに認定されているので、当協会の検定会員(CMA®)は、 CIIA®最終試験の受験資格があります。
- 試験の構成、方法等
- (1)
- 試験の構成(当協会検定会員は基礎試験を免除)
CIIA®試験は、各国固有の試験(National Specific Exam)と国際共通試験(International Common Exam)で構成され、国際共通試験には基礎試験(Foundation Examination)と最終試験(Final Examination)とがあります。
しかし実際には参加各国協会が既に各国固有の試験および基礎試験をカバーするに足る十分な国内教育試験プログラムを有していること等に鑑み、基本的に基礎試験は免除されています。
この場合、最終試験に直接参加することを希望する協会は、そのプログラムが十分な専門レベルと内容をもつものであることについてIECの認証を受ける必要があります。当協会はこの認証を受けているので、検定会員は最終試験のみでCIIA®資格を取得できます。
以下は最終試験についての説明です。 - (2)
- 最終試験(Final Examination)の試験科目および試験時間
最終試験の試験科目および試験時間は、下表1のとおりです。表1 最終試験の科目および試験時間
科目別の試験時間の配分は、概ね下表2のようになります。また、この時間配分は、学習時間のガイドラインの意味合いも含んでおります。科目 試験時間 第1単位
(Exam 1)コーポレート・ファイナンス
経済
財務分析
株式分析3時間 第2単位
(Exam 2)債券分析
デリバティブ分析
ポートフォリオ・マネジメント3時間 合計 6時間 表2 科目別の試験時間配分(最終試験全体に対する割合:%)
科目 試験時間 第1単位
(Exam 1)コーポレート・ファイナンス 10% 経済 10% 財務分析 15% 株式分析 15% 合計 50% 第2単位
(Exam 2)債券分析 15% デリバティブ分析 15% ポートフォリオ・マネジメント 20% 合計 50% 合計 100% - (3)
- 最終試験の出題範囲、問題の特徴等
- イ.
- 出題範囲および問題の作成
国際資格試験制度が想定するCIIA®(国際公認投資アナリスト)が習得すべき専門知識の体系は、IECが策定し、ACIIA®が承認したCommon Knowledge Base(CKB®)に取りまとめられています。IECでは、CKB®のなかで国際的に共通な事項でありかつ重要度の高い項目を選定して、学習要領(Syllabus)を定めており、国際試験は、このSyllabusに含まれる項目の範囲内で出題されます。Syllabusの日本語訳は当協会を通じ、本制度に登録した方全員に配布されます。
なお2008年には、試験制度開始後8年目になることから、実務のニーズに即してSyllabusのアップデートを行いました。具体的には、1.国際会計基準(財務分析)、2.信用リスク、クレジット・デリバティブ(債券分析、デリバティブ分析)、3.年金ALM(ポートフォリオ・マネジメント)の3分野の拡充・補強です。2009年3月以降の試験では、これらを前提にして出題されています。
国際共通試験の問題は、一国協会に偏らず、欧亜、中南米各国協会の専門グループから出された問題のなかから、厳格な選考過程を経て選出されます。 - ロ.
- 問題の特徴等
前述のとおり、最終試験(Final Examination)は、受験者のより高度の知識と総合的な分析力、応用力を問うものです。したがって、事例問題、論証問題、推論的な問題(一部に計算問題も含まれる)で構成されることになります。
当協会の教育試験プログラムと対比した場合、Syllabusの規定する出題範囲および知識レベルは、当協会の2次レベルをマスターしていれば十分に対応できるものであるといえます。ただし、前述のように試験問題は各国協会の専門グループから出題された問題の中から選定されますので、より国際的に幅広い問題提起がなされることになります。
過去の試験問題をみると、コーポレート・ファイナンスの応用的な事例問題(M&A、リアルオプション)、スポット・レート、フォワード・レート、イールドカーブの変化、実現リターンの相互の関係について正確な理解を求めるものやブラック=ショールズ・モデル、デリバティブを用いたヘッジの事例(実際の計算)、株式・債券といった伝統的な商品にとどまらず、仕組み債・スワップ等の比較的新しい商品、場面設定が国際的な出題など2次レベルでは見られないような分野からの出題が含まれています。連続複利計算が要求される問題もありますが、試験中は公式集と関数電卓を使うことができます。つまり、これらをいかに活用できるかもポイントとなります。解答も許容性があり、それだけに受験者の本質的な理解が問われるものと言えます。問題の前提条件を詳細に設定して、唯一の解答を求めさせる傾向の強い日本の試験に慣れたCMA®にとっては、チャレンジングな試験となっています。
- (4)
- 試験に使用する言語
日本については、問題、解答とも日本語か英語のどちらか一方を選択できます)。
なお、CIIA®試験は参加各国の言語によって実施されます。具体的には、日本以外の国における言語は、英語、独、仏、伊、西等の11の言語の使用が認められています。
- 受験の回数
- (1)
- 前述のように、CIIA®試験の最終試験は2つの単位(examination paper)に分けられ、それぞれについて合否の判定が行われます。受験者は、1回の試験で2単位とも同時に受験し、あるいは単位ごとに別々の試験機会に受験することができますが、登録から受験機会10回以内(5年間)に2単位とも合格する必要があります。
- (2)
- 登録から5年以内に2単位合格とならない場合、当初の登録料に比べ割引料金(詳細は、下記3.費用ご参照)で再登録を申込むことができます。再登録した場合には、過去の合格実績は引き継ぐことになります。再登録の受験機会も10回(5年間)です。
- 授与される国際資格
前述のように、当協会の検定会員がCIIA®試験(最終試験)に合格した場合には、国際称号としてCIIA®(Certified International Investment Analyst)が授与されます。また、英文表示のほか、「国際公認投資アナリスト®」という和文の称号表示も認められます。この称号取得後も、当協会における検定会員の地位は変わりません。国際資格取得者は、当協会の会員である限り国際称号を使用することができますので、検定会員である限りCMA®という当協会の会員称号とCIIA®の双方を使用することが可能です。
2011年9月試験までの合格率・合格者数は、下表のとおりですが、検定会員(CMA®)のCIIA®資格取得者は既に2,422名に達しています。
当協会検定会員(CMA®)のCIIA®試験結果
| 第1単位 | 第2単位 | CIIA® 取得者数累計 |
|||
|---|---|---|---|---|---|
| 受験者数 | 合格率 | 受験者数 | 合格率 | ||
| 第1回から 第17回まで累計 |
3,722人 | 63.8% | 3,834人 | 64.0% | 2,170人 |
| 第18回 (2009年9月) |
41 | 29.3 | 18 | 11.1 | 2,175 |
| 第19回 (2010年3月) |
186 | 59.1 | 158 | 77.2 | 2,297 |
| 第20回 (2010年9月) |
29 | 24.1 | 14 | 42.3 | 2,303 |
| 第21回 (2011年3月) |
106 | 79.2 | 93 | 63.4 | 2,377 |
| 第22回 (2011年9月) |
132 | 41.7 | 111 | 47.7 | 2,422 |
| 第22回 (2011年9月) 世界全体 |
717 | 49.7 | 530 | 44.2 | 6,202 |
当協会検定会員向け登録、受験手続、学習教材配付等
- 試験実施時期と実施地
- (1)
- CIIA®試験を受験するためには、まず制度への参加登録をしなければなりません。ただし、参加登録ができるのは、原則、登録申込時において、当協会の検定会員であって、正常な会員活動をしている方に限られます。
- (2)
- 新たな参加登録の申込みはいつでも受付けますので、参加登録申込書を当協会に提出して下さい。
- (3)
- 参加登録の有効期間は、登録申込後、その登録者に対して連続10回(5年間)の受験機会が与えられた時までです。
- (4)
- (3)の有効期間内に2単位合格とならない場合、再登録を申込むことができます。再登録の有効期間は、再登録申込後、その再登録者に対して連続10回(5年間)の受験機会が与えられた時までです。再登録を希望する方は、再登録申込書を当協会に提出して下さい。
再登録の受付期間は参加登録の10回目の試験申込期限以降、11回目の試験申込期限までです。ただし、この期間に手続きできない場合は1年間の猶予期間を設けますが、この場合、再登録するまでに実施された試験回数を通算受験回数に含めます。
- 受験申込
- (1)
- 新たに参加登録する方は、参加登録申込書とともに受験申込書を当協会に提出して下さい。ただ、参加登録申込書を先に提出し、受験申込書の提出は後でもかまいません。
- (2)
- その後は毎回の試験ごとに当協会から受験申込書を送付しますので、指定された期日までにその受験申込書を提出して下さい。
- (3)
- 登録者、再登録者にはそれぞれ連続10回の受験機会が与えられますが、10回のうち、どの試験を受験するかは登録者、再登録者の任意です。
- 費用(含消費税、下記6.(1)の教材費含む)
登録料
新規登録料(5年間有効) 35,000円 再登録料(5年間有効)合格単位のある場合 20,000円 合格単位のない場合 30,000円 受験料第1単位または第2単位いずれか一方の受験 15,000円 第1単位、第2単位両方の受験 25,000円 - 今後のスケジュール
2012年3月試験 2012年9月試験 2013年3月試験 登録申込期限
(常時受付ながら、申込日により試験日程が定められる)2011年12月末 2012年6月末 2012年12月末 受験対象者への受験申込書の送付 2011年11月末 2012年6月初旬 2012年11月末 受験申込期限 2011年12月末 2012年6月末 2012年12月末 受験申込者への受験票の送付 2012年2月初旬 2012年8月下旬 2013年2月初旬 試験結果通知 2012年5月末 2012年11月末 2013年5月末 - 今後の試験日程(決定しているもの。東京会場分)
試験日程 2012年3月10日(土) 出題・解答ともに日本語、英語のどちらでも選択可能 2012年9月15日(土) 出題・解答ともに日本語、英語のどちらでも選択可能 2013年3月9日(土) 出題・解答ともに日本語、英語のどちらでも選択可能 2013年9月21日(土) 出題・解答ともに日本語、英語のどちらでも選択可能 2014年3月8日(土) 出題・解答ともに日本語、英語のどちらでも選択可能 2014年9月20日(土) 出題・解答ともに日本語、英語のどちらでも選択可能 2015年3月7日(土) 出題・解答ともに日本語、英語のどちらでも選択可能 2015年9月19日(土) 出題・解答ともに日本語、英語のどちらでも選択可能 - (注)
- 欧米の会場は前日の金曜日に実施
- 教材の配布とスクーリングの実施
- (1)
- 教材の配布
本制度への登録時に、当協会から下記の教材を配布します。また、改訂版が発行された場合には改めて配布します。- スタディ・ガイド(次の項目を含みます。)
- 学習案内
- Syllabusの日本語訳
- ポートフォリオ・マネジメント、株式分析、債券分析、デリバティブ分析、コーポレート・ファイナンスおよび経済の主要な項目について、Syllabusの項目と当協会検定試験の推奨図書(旧「基本テキスト」)および通信テキストとの対応を示したレファレンス
- CIIA®バインダー(国際会計基準、クレジットデリバティブ、年金ALM)
- CIIA®スクーリング講義ノート「デリバティブ分析」
- CIIA®試験問題・優良解答
- Formulae(重要公式集)
- CIIA®試験の要点整理 -解法のポイント-
ここに、前述のSyllabusおよびCKB®が掲載されています。 - スタディ・ガイド(次の項目を含みます。)
- (2)
- スクーリングならびにDVDの販売(ともに有料)
上記の教材配布のほか、本制度に登録した方々の学習の一助とするため、要点の解説と問題演習とで構成されるスクーリング(集合研修)を東京で開催します。本年も12月から2012年1月にかけて週末延べ5日間実施します。
なお、この講義のDVDも販売しておりますので、ご活用下さい。CIIA®試験登録者向けのDVD販売価格は、第1単位6巻25,000円、第2単位6巻25,000円、全12巻一括では47,500円です。スクーリング申込者には、割引価格で、また検定会員、2次レベル通信講座受講者にも別料金で販売しています。 - (3)
- CMA®向けおよび通信講座受講者向けの教材販売
当協会では、本制度の教材がCMA®の継続的学習のツールや通信教育講座受講者の参考教材として有用であると考え、これらの方々にも有償で頒布しております。詳しくはホームページの「通信講座・試験」の中の「教材販売のご案内」をご覧下さい。
- 問合せおよび資料・申込書類請求先
本件についてのお問い合わせおよび登録申込書類等の請求は、下記宛にE-mailもしくはFaxでお願いします。
- 問合せおよび資料・申込書類請求先
- 〒103‐0026
中央区日本橋兜町2-1
東京証券取引所ビル5階
公益社団法人 日本証券アナリスト協会(CIIA®試験担当)
E-mail : ciia@saa.or.jp
Tel : 03-3666-1511
Fax : 03‐3666‐5843
CIIA®試験制度関連Q&A
- Q1.
- CMA®に加えてCIIA®資格を取得するメリットは何か?
- Q2.
- この資格試験制度の特色は何か?
- Q3.
- 米国協会(CFAI)はこの制度に参加しないのか?
- Q4.
- 国際的に見て質的レベルで高い試験プログラムであると言われているが、日本の検定会員にとって、最終試験の難易度はどうか?
- Q5.
- 東京以外の試験地(例えば、当協会の検定試験を行うニューヨーク等)での受験も可能か?
- Q6.
- この制度に参加する協会の会員でなくなった場合にCIIA®を使えなくなるのはなぜか?
- Q7.
- 検定会員(CMA®)以外の者が、検定試験を受験せず、CIIA®試験の基礎試験、最終試験の両方を受けてCIIA®を取得できる道はないか?
- Q8.
- CIIA®資格を取得した場合には、新たに会費等が発生するのか?
- Q1.
- CMA®に加えてCIIA®資格を取得するメリットは何か?
- A1.
-
CIIA®の管理・運営機関であるACIIA®のメンバーは、欧州証券アナリスト協会連合会(欧州の国々から26証券アナリスト協会が加盟)とアジア証券・投資アナリスト連合会(アジア、オセアニアの国々から11証券アナリスト協会が加盟)の2連合会に加えて、アジア、ヨーロッパ、中南米などの国々から34の証券アナリスト協会がCIIA®(国際公認投資アナリスト)資格の価値を認めて既に加盟しており、今後その輪はさらに広まっていこうとしています。
ACIIA®加盟協会の国々(34カ国)に赴任したとき、CIIA®を保有していれば、これらの国々の投資家などからあなたは一定レベル以上の証券アナリストとしての知識・技量を有していると認識してもらえるでしょう。そればかりか、香港、台北、スイス、ドイツ、フランスなどの国々の証券アナリスト協会は、外国のCIIA®保有者に対しこれらの協会の会員になれる制度(ポータビリティと称しています)の恩典を与えており、あなたにとって、現地証券アナリストとの情報の輪を広げるきっかけにもなり得るわけです。このポータビリティは、今後さらに普及していくものと考えます。
たとえば、あなたが、もし中国に赴任することになった場合、CIIA®資格を保有していることは、中国証券監督管理委員会(CSRC)の承認のもとで中国証券業協会(SAC)自らCIIA®試験を実施していることから、極めて有用でしょう。このように当局からCIIA®を認定されている国が徐々に増えてきています。
さらに、英国金融サービス機構FSA(The Financial Services Authority)や一部のメンバー協会所属の国では、当局が証券関連業務従事者に義務付けている要件を満たしている資格としてCIIA®を認定しています。また、ACIIA®は、各国当局または各国証券アナリスト協会が実施している資格試験の一部または全部が、CIIA®保有者に対して免除されるよう認定を得るべく努力しております。 このような実績の積み重ねによりCIIA®の価値は、今後一層向上していくものと期待されます。(なお、CIIA資格のメリットや英国FSAのCIIA®資格認定につきましては、当協会ホームページの『国際資格試験制度(CIIA)』に記載されている『CIIA資格のメリット等のご案内』をご参照下さい。)
仮に、海外に赴任されないにしても、証券アナリストとしてのレベル維持・向上の観点から継続教育の一環としてCIIA®試験に挑戦することは、大変意義深いと考えます。
- Q2.
- この資格試験制度の特色は何か?
- A2.
-
世界各国の証券アナリスト協会がもつ教育・試験プログラムは、評価・分析手法の基本的枠組みを共有しつつも、それぞれの資本市場の歴史と特徴、経済構造さらには市場をめぐる規制の体系など、固有の条件を反映した多様なものとなっています。この多様性には、各々の市場に即した証券アナリストの活動を保障し、市場を効率的に機能させるという意味があります。他方、市場と経済のグローバル化・資本移動のボーダーレス化の進展により、証券アナリストの知識・能力の標準化の必要性が高まり続けています。
CIIA®(国際公認投資アナリスト)試験制度は、このような多様性と標準化をともに実現することを目的として生まれました。各国の証券アナリスト協会の自主的な活動を尊重しつつ、同時に、国際的に共通した証券アナリストに期待される知識・技能・能力を育成・テストする教育・試験制度が構想されたのです。この目的を実現するため、機構としては多数の国のアナリスト協会とその連合会とが非営利の法人を創設し、教育・試験制度の内容面では、関係する多数の証券アナリスト協会からできるだけ多くのインプットを集め、それを整理・集約することを通じて共通部分を構築するという方法が選択されました。
このプロセスにおいては、欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS)と、日本証券アナリスト協会を含むアジア証券・投資アナリスト連合会(ASIF)が構想実現への推進母体となりました。約3年間の準備期間を経た後、2001年3月に第1回試験を実施した本制度は、CIIA®試験の合格者に、国際資格にふさわしい独自の称号CIIA®(Certified International Investment Analyst、和文称号は国際公認投資アナリスト®)を与えるものです。
なお、国際的な標準を策定するという本制度の目的との関連で、コミュニケーションの手段としての言語についても、標準言語を指定すべきかどうかを準備段階で決める必要がありました。この点については、慎重な議論の結果、最終的には、専門的能力の判定と言語能力の判定とを切り離して、様々な言語が通用する多数の国の受験者に参加の道を開く観点から、試験に使用する言語の多様性を認める方式が選択されました。
- Q3.
- 米国協会(CFA Institute)はこの制度に参加しないのか?
- A3.
-
当協会をはじめ関係各国協会は、米国協会(CFA Institute)にもその参加を強く働きかけてきましたが、CFA InstituteではそのCFAプログラムを世界的に広めることが先決との基本スタンスであり、参加しておりません。
- Q4.
- 国際的に見て質的レベルで高い試験プログラムであると言われているが、日本の検定会員にとって、最終試験の難易度はどうか?
- A4.
-
CIIA®試験の出題範囲を指定するSyllabusは、当協会の証券アナリスト通信教育講座のCKB®(Common Knowledge Base)と大部分が重複しています。これまでの実際の試験問題を見ても、いずれも証券アナリスト2次試験の範囲が「マスター」できていれば十分に対応可能である、といえます。しかしこれは、次のような点から証券アナリスト2次試験に合格した人なら誰でも容易に合格できることを意味しません。
第1に、毎回の試験問題は、5カ国以上の国々から寄せられた候補問題の中から選定されます。したがって、証券アナリスト試験では見られないような分野からの出題や、異なった観点からの出題が当然に含まれることになります。その意味で、証券アナリスト2次試験の受験経験のみでは十分ではない試験になっているといえます。例を挙げると、経済のIS-LMモデルの開放経済への拡張やAD-ASモデルとの関係、オプションのブラック=ショールズ・モデルや二項モデル、債券のスポット・レートやフォワード・レートの意味についての出題などがあります。
第2に、証券アナリスト2次試験と比較して問題数が少なくなっている分、各問への配点が大きくなっていますので、ある問題での失点を他の部分でカバーする戦術がとり難く、いわば弱い科目・分野がある場合には大きく結果に影響することになります。さらに、欧州では教育・試験プログラムは日本と比較して小規模(数百名~1,000名)で行われるケースが多く、このため受講者が一箇所に集まって長時間の講義を受ける形式が可能になっています。トレーニングを豊富に積んだ受験者が各国から参加しているわけで、そのような受験者との比較で合否が決するという条件も加わっているのです。
なお、受験対策としては、当協会提供のスクーリングへの参加と過去問を繰り返し練習することが有効のようです。 - Q5.
- 東京以外の試験地(例えば、当協会の検定試験を行うニューヨーク等)での受験も可能か?
- A5.
-
東京、大阪以外では、ニューヨーク、ロンドンに試験会場を設定します。その他の海外会場(ACIIA®加盟協会が設定する例えば香港、パリ、フランクフルト等)を希望する場合は早目にご相談下さい。
- Q6.
- この制度に参加する協会の会員でなくなった場合にCIIA®を使えなくなるのはなぜか?
- A6.
-
CIIA®が、この制度に参加する協会の会員である限り使用できることとされているのは、各国協会がCIIA®取得者に対する指導・助言や、その職業行為をモニターしつづけることを通じて、プロフェッショナルとしての倫理水準を確保するためです。
- Q7.
- 検定会員(CMA®)以外の者が、検定試験を受験せず、CIIA®試験の基礎試験、最終試験の両方を受けてCIIA®を取得できる道はないか?
- A7.
-
各国協会の会員資格を持っていることがCIIA®取得の条件になります。また、日本ではCMA®第1次レベル、同第2次レベルの検定試験がCIIA試験の基礎試験に代わるものとして位置付けられています。これらの理由よりCMA検定試験を受験せずCIIAを取得することはできません。
- Q8.
- CIIA®資格を取得した場合には、新たに会費等が発生するのか?
- A8.
-
現在のところ、会費等の負担はありません。



